広報の達人になる法 戦略的PR活動のための88の鉄則 山見博康 ダイヤモンド社2009年7月 | |
序文―広報の使命 日産自動車社長 カルロス・ゴーン 組織の信頼性は、「業績」と「透明性」の二点によって決まるものです。 経営者が「組織の明確なビジョン」と「それを支える戦略」、そして「具体的な行動計画」を描くこと―これが、高い業績へと導く因子となります。 しかし、ビジョンや戦略がパワフルでも、社員に理解されなければ共有されず、共有されなければパワーレスになり、結果を出すことができません。 それらを社員に伝え、モチベーションを高めるには、継続的かつ焦点の当たったコミュニケーションが必要なのです。 広報は、社員のモチベーションを向上の一端を担っていますが、広報の役割はそれだけではありません。 社会の一員として、会社には、株主、ビジネス・パートナー、顧客、そして社会全般におけるすべてのステークホルダー(利害関係者)に対してコミュニケーションを行う義務があるのです。 優れた広報は、企業の信用、評判、そして何よりもブランド力の向上を支えているのです。 企業による情報開示は、コーポレート・ガバナンス(企業統治)の指針によって義務付けられていますが、事業の透明性は、義務を超越したコミットメントなのです。 透明性の確保を追及する姿勢は、企業文化の一部でなければなりません。企業は、言葉と行動が一致してはじめて、顧客と社会の信頼を獲得できるのです。 短期的な利益を追求するために現状をねじまげてはなりません。 透明性には、誠意、説明責任、そして法規制の遵守が必要です。 これらはすべて、社内外を問わず、人々との長期的な信頼関係を築くのに不可欠なものです。 コミュニケーションは、会社の戦略と信頼性を支える重要なマネジメント・ツールです。 日産では、広報担当者は、「戦術的実施者」でなく、「戦略的思想家」を目指すことを求められ、広報活動を行ううえで、以下の六つのポイントを重視しています。
優秀な広報担当者の第一の要件は、強い使命感を持つことです。 自分の価値観と任された業務に忠実であることが大切です。 自らの境界を超えて構想し、より広大な絵を描けるように、機能横断的な取り組みを行うことです。 競合他社や、他業種の成功に学び、ベストプラクティスを積極的に取り入れ、常に学ぶ姿勢を忘れず、継続的な改善を目指していかなければなりません。
広報のプロと企業には、高い成果と透明性が不可欠です。 広報活動の強化と理解の向上に携わる皆様には、会社の成功を支え、ひいてはグローバル社会の発展の一翼を担っていただくことを期待しています。 | |
2010年3月11日木曜日
☆広報の達人になる法
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