あらすじ
13才の主人公ウィルバーは、父親ケネスの会社が倒産し、債権者たちが暴徒となり家に押しかけ投石され、母親グレイスの頭に石があたり、母を亡くす。
悩んでいたところ、伯父ウィリアムの勧めで、学校で学ぶ以上に人生を学ぶため、インディアン保留地へ一人旅にでた。
ウィルバーは、インディアン保留地でマナラック族長老のニデバノ(過去と未来を自由に行き来するものという意味)に会う。 ウィルバー「お金が人間を不幸にするとしたら、なぜでしょう?」 ニデバノ 「君はお金をつくったのは誰だと思う?」 「それは人間しかいません」 「だったらどうして人間が自分を不幸な目にあわせるものをつくるのかね? 神様は自分の姿に似せて人間をつくったというのにだ」
太陽は、だれににでも平等にその温かい光を与えてくれる。 月は、自分さえ都合良ければいいという自分勝手な夜の心を反省させる明るい光をもたらす。 地球は、生物や資源の恵みを与えてくれ、感謝の心と愛の心を与えてくれる。
Lovers ラバーズ 愛する人々・・・必要最小限のもので満足でき、神に感謝し、不平不満のない人
Dreamers ドリーマーズ 夢見る人々・・・今以上にお金を増やしたいと思っている人 満足を知らないため感謝の心がない
Greed グリード 慾深な人々・・・お金貸しや投資家 地球の贈物も拒否している。事業は資源を必要としているが金融は地球の資源を必要としない。
大昔マナラック族で、お金が発生し、慾深な人々がはびこり、愛する人々が生活しずらくなったとき、愛する人々は新天地を求めて旅をし、サラベポポ(聖なる土地)を見つけた。
サラベポポでは豊かな森ときれいな水と魚の豊富な川に恵まれ、ユライブという不思議な果物があった。 ユライブを食べると若返り病気も治ってしまった。
ある日王国の旅の者がサラベポポを通りユライブを知り、自分の国で売って儲けようと考えた。
サラベポポに農場ができ、またお金が発生し、お金のために働き、自然に感謝する昔の生活が出来なくなってしまった。 サラベポポに住む愛する人々はこの危機を乗り越えるため、自分たちの村だけで通用するユラというお金をつくった。 最初にみんなに平等にユラを配り、ユラがなくなった人には、また新しくユラをつくって渡してあげた。 ユラを多く持つ人はより多くの人にしてあげた人、ユラが少ない人は多くの人からしてもらった人という意味でお金持ち貧乏という考えはなかった。 愛する人々は、良心というバランス感覚あるいは調和した心を持っていたので、アンバランスな状態でいることはできなかった。あまりにもしてもらうばかりだと、恥ずかしくなり、自分も何か人の役に立てないことが、心苦しくなった。 本来人は、自分がなにかをして、相手の喜ぶ顔を見て、感謝されることがうれしい。 お金は「どれだけもっているか」でなく「どれだけ有意義に使えるか」が問題となる。 しばらくすると王国がユラの発行を禁止した。するとサラベポポの愛する人々は今度はお金を使わずに数字だけで取引をするようになった。 愛する人々はけして豊かではなかったが顔はいつもばら色に輝き幸せそうに見えたので、サラベポポの地を追われた。 しかし、愛する人々は成熟した精神をもっていたので、もはやユライブやユラを必要としていなかった。
ニデバノの話が終わるとウィルバーに訊ねた、 「君は慾が少ない人間じゃな。 そういう人間にこの物質慾にとらわれた世の中は生きにくいかもしれない。 君はこの世界をちがったふうに変えたいと思うか? それとも、あきらめてここで生きていくつもりか? そして、もしこの世界を変えたいなら、どんな方法に頼るつもりじゃ? 権力をもつかね。財力をつけるかね。そのお金で武器を集めて武力を行使するのかね。 それとも学識か」
ウィルバーはこたえた 「ぼくはここをもっと住みやすい世界に変える方が自分にあっていると思うんです。 だけど、そのためには、もっと自分自身の心を高めないといけません。 まちがっている人を改めさせるのに、権力で支配しても、武力で屈服させても、暴力で恨みをはらしても解決にならないでしょう。 まず愛する人々の心を自分のなかに開発することが必要です。 だけど、その手本になる人や社会のしくみというのが、この世界にはないような気がします。 でも、もしそんな世界があるなら、そこに行ってみたいです」
ニデバノはウィルバーに目指す場所を示し、メピオという植物を与えた。
ウィルバーは七日間旅をし目指す場所にたどりつき、新しい文明のナビゲーターに会い、必要なことを学んだ。
・より美しく楽しく自分の真実に従って生きるだけです。
・目の前に起きていることが他人のことであっても、自分自身のことでもあるということを理解してください。責めてはいけません。ゆるすことです。
・目の前の現実がどんなに恐ろしくまた悲惨なものであったとしても、それを嫌悪したり、それに背を向けたりしないでください。なぜならば、あなたはこの機会を生かすことで、どんなものでもすばらしく美しいものに変えてしまうことのできる光を自分の中にもっているということを学ぶこともできるからです。
想いのエネルギー博物館
1.あり余るお金をどう使っていいのかわからず、悩み続けている人の想い
2.生涯をかけてためこんだ巨額の資産の使いみちがみつからないままついに死をむかえてしまった人の想い
3.お金のためだけに追いまくられるように働き、自分のしたいことすべてを犠牲にして生きるうち、病気になり死んでしまった人の想い
4.お金を貸したり、投資をすることで限りなくお金をふやし、やみで世界じゅうの権力者をあやつる大富豪になりたいという野心だけで生き延びている人の想い
5.会社経営に失敗して巨額の負債をかかえ、夜逃げするか、借金を返して破産の道を選ぶかの選択をせまられ、ついに両派に意見が分かれてあれこれいう周囲の人々のプレッシャーに耐えられなくなり、自殺してしまった人の想い
6.他人に貸した莫大なお金がもどってこないまま死んでしまった人の想い
明日死ぬとわかったなら、あなたはお金を欲しいと思うでしょうか?
・・・・・いや、思わないでしょう。肉体がなかったら、いくらお金をもっていても使えませんから
人はできるだけたくさんのお金をもっていようとします。どうしてでしょう?
・・・・・たくさんお金を持ちたがるのは、お金がなくなったらどうしようかと思うからです。本当はお金がなくなる前に肉体が死んでしまうかもしれないのに、そんなことはちっとも考えていません。まず第一にすべきことは、お金を手に入れることだと考えがちです。これも、まずお金がないと死んでしまうと思い込んでいるからです。
お金がないと死んでしまうというのは、真実ですか?
・・・・・いや、それは信じ込んでいるにすぎないと思います。お金があっても死ぬときは死にます。億万長者が、飛行機事故で急に死んでしまうことだってありますから。ただ『いつ死んでも不思議ではない』という真実を意識したくないだけなんでしょうう」
真実といいましたね。いつ死んでもおかしくないのに、たった今、生きていられるとしたら、これは奇跡かもしれませんね。すると、そのことも真実ですね。
・・・・・ええ、そうだと思います。『今、生きていられるのは当たり前ではない。なにか奇跡的な力によって支えられて生きていられるんだ』というのが真実だと思います。けれども、大多数の人々は真実を知るよりも、明日も、また一年後も、十年後も、当然のようにずっと生き続けられものと信じ、生活のために必要なお金を、一生懸命努力して獲得することにばかり頭を使っているんだと思うんです。
ですが、お金を手に入れる努力はある意味で簡単なことかも知れませんね。
・・・・・僕はお金を稼いだ経験がありません。だけど、お金を儲けることにしか興味がな父親の生き方を見ていて、本当はほかにすることがないんじゃないかと疑問をもってきました。もし、人が稼がなくてもよくなくなったとしたら、どうでしょう?天国は暇なところだと聞いたことがあります。きっとそこで充実して生きている人達もいるでしょう。父だったら退屈のあまり死んでしまいたいと思うでしょう。すると、将来のためにではなく、今を気楽に過ごすことのほうが難しいかもしれません」
では、どうして気楽でないほうの生き方を選ぶのでしょうか?
・・・・・それはこの肉体を維持していけなくなるのが怖いからです。お金をもっていることが、その恐怖から人を解放してくれます。本当は恐怖を忘れさせてくれるだけですが・・・・
すると、その恐怖の正体はなんでしょう?
・・・・・ああ、そうでしたね!それは真実を知らないことから来てました。『私たちは自分の肉体の力で生きているのじゃない』ってことですよね。本当は、いつも目に見えない存在に守られ。導かれている・・・母もその一人です」
心をもってしか心は変えられない。 |
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