著書名 スティグリッツ教授の経済教室―グローバル経済のトピックスを読み解く 著者 ジョセフ・E・スティグリッツ 出版社 ダイヤモンド社 発表年 2007年 |
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目次 第1章 書き下ろし論文 21世紀初めの日本と世界 第2章 グローバル経済の通説を疑え 第3章 ブッシュ大統領の深刻な誤り 第4章 地球を守るための処方箋 第5章 経済格差をいかに解消するか 第6章 いま直面する課題に立ち向かう |
ノーベル賞経済学者が世界の重要テーマを鋭く分析。間違いだらけの政策・学説を論破し、正しい考え方を提示する。書き下ろし論文「21世紀初めの日本と世界」収録。 グローバリゼーションや国際貿易の問題のみならず、アメリカをはじめとする各国の経済政策、気候変動にまつわる経済的な課題、年金制度の民営化、サブプライムローン問題等々、世界の重要テーマをスティグリッツ教授が明快に解き明かした本。 アマゾンのレビュー ○ここで、教授は、グリーンスパン氏を名指しし「グリーンスパンは、こうした変動金利住宅ローンを推奨することによって、借り手がリスクを増加するのをあおったのである。」と批判している。また「住宅バブルはついに崩壊し、住宅価格の下落により住宅ローンの額のほうが持ち家の価格より高くなっている者もいれば、金利の上昇でローン返済ができなくなった者もいる。(中略)住宅バブルはアメリカ人に収入以上の生活をさせ、家計の純貯蓄は過去二年にわたりマイナスとなった。この成長エンジンが止まったのだから、アメリカ経済がどのようにして減速を免れるのか、その方策は見えてこない。(中略)『人間の誤りはその人が舞台を去ってからも長く影響を残す』という古い金言があるが、それはグリーンスパンについて間違いなく当てはまる。」と記している。 ○いくつか面白い内容があるが、アウトソーシングについて。 「たとえば、ハイテク関連業務がインドにアウトソーシングされることについての懸念には、もっと深い理由があると思われる。この手のアウトソーシングは、アメリカをはじめとする先進工業国でグローバリゼーション論の重要な協議となってきた神話、つまり労働者はグローバリゼーションをおそれる必要はないという神話をぶちこわしてしまうのだ」。 この辺は、フリードマンの「フラット化する世界」と読み比べてみると面白いと思う。 ○結局この本の本文って何? それは簡単です。ブッシュ政権が犯した過ちに対する反省文と、私ならこうしましたという論文です。 池田信夫先生と村上グーグル名誉会長はマンキュー派みたいです。 ○By フジキセキ "キセキ" (大阪府) 著者はブッシュ政権の経済政策批判を切り口として米国と様々な諸国との 関係を経済評論しています。 日本経済の問題点について焦点を当てて解説します。 1.景気下降面での財政赤字削減策は通常さらに景気を悪化させる! 2.今日の日本が直面している問題はデフレである。 物価の下落が景気を悪化させて、それがさらに物価を下落させる悪循環。 結論として物価下落は短期的には経済状況を悪化させる。 これにはペース配分して紙幣を増刷する手法が適しているそうです。 ☆増刷した紙幣を誰に供給するか、がポイント。 3.中国の経済成長 日本と韓国は生産構造を適切に再編できれば、中国の台頭によって 最も得する立場にある。 4.日本の二重経済 極めて効率的な製造業部門 はるかに非効率な非製造業部門 が並存している。 政府は非製造業部門の既得権益の保護を目的とする規制の多くを廃止すべき である。 という主旨です。 1.に関しては赤字国債を25兆円を発行する日本国に他の対処法がないか 本人に聞きたい所です。 2.に関してはこの書物を書かれていた当時と比べて資源物価高なので、 スルーしても良いと思います。 3.は現在の日本において好調な企業(造船、鉄鋼など)あります。 4.の非製造業部門の隆盛にはどのような方法があるのかもう少し著者の 言及を欲しかった所です。 あまり経済批判の多さに辟易する所もあり上記の日本経済への視点もあり、 ☆4つと☆2つを合わせた☆3つという感想です。 ○貿易や知的財産権についても、貧困国を救おうとする政策が必ずしもとられて おらず、先進国(特にアメリカ)の国益を考えたうえでの政策だというのが よく分かった。アメリカでの綿花やトウモロコシ等の農家への莫大な補助金 でわずかなアメリカ人富農層の裏で多くの貧困国の農民が苦しんでいる実情。 また、薬さえあれば助かるはずだが、知的財産権に守られている高価な薬は、 当然貧困国の人々には手が届かない現状。 ○経済学本というよりは05年~07年の時事ネタ評論みたいなかんじ。 ○ 2007年は東アジア経済危機に見舞われ、そこから脱出して10年目という節目の年ですが、いまや一部では反グローバリズムの啓蒙家とみなされるスティグリッツ教授らしく《自由化が経済成長を促進するという根拠がまったく見当たら》(p.9)ず、逆に中国は《市場原理主義者のルールのすべてには従わないことによって》(p.11)市場経済を達成した、と評価しています。《自動車の代わりに国債を輸出したのでは雇用を生み出すことはできない》(p.20)というのもアメリカに対する痛烈な批判。 個人的に印象に残ったのは、橋本内閣が行った消費税の再引き上げとその後の景気後退は《日本は世界にいくつかの教訓を与えた》(p.22)というあたり。もう、世界史的な教訓になっちゃっているんですかね。いまや《低レベルのインフレは成長に大きな影響は与えないし、ディスインフレーションーインフレ率が高くなりすぎたときにそれを低下されることーのコストは小さい》(p.24)というのが通説なんでしょうから。 |
p97 イマニュエル・カントは、定言命法(無条件に正しい行い)という概念を打ち出すことによって、宗教的箴言が与えてくれるものとは別の倫理基盤を求めていた人々に哲学的基盤を与えた。 しかし、現代社会は、個人が「正しい」行いをしてくれることをただ当てにしているだけでは立ち行かないし、実際、当てにもしていない。 現代社会はアメとムチを用意しているのである。 p104 不正な財産をいかに取り戻すか 1990年代のデタラメな民営化で取得された汚れた資産をどうすればよいのか。 ・ロシアの石油王、ミハイル・ホドルコフスキーの逮捕、プーチン大統領 ・エリツィン大統領時代に犯した誤り 1.人びとの富の創造ではなく資産の略奪へと駆り立てる動機を生み出したこと 2.共産主義時代の数少ない正の遺産をむざむざと失ったこと。 科学技術分野を中心とするレベルの高い人的資源の流出 ・チュエック・アンド・バランスが壊れたアメリカ ラムズフェルト国防長官や軍を擁護する言葉 「腐ったリンゴ」はどこにでもいる 人は弱くて過ちを犯しやすいものだ しかし、アメリカの統治システムには、そうした問題をすべて認識したうえで、それを防ぐ仕組みが組み込まれている。これらの安全装置の文言や精神が守られていたならば、アメリカはそもそもこの戦争を初めてはいなかっただろう。少なくとも単独では始めていなかったはずだ。 ☆過ちがわかった今、裁かれなくてはならない。しかし、一向に是正される気配はない。もし自浄能力がなく反省することができないならば、気づいたものが裁かなくてはならない。指摘するだけでは傍観者と同じであり、犯罪を犯したものを肯定することになる。 |
コメント ・大きすぎてつぶせない銀行 近すぎて見えない現在。 今、何が起きているのか? 第二次世界大戦後なにがどうなっているのか、学ぶことなく、ひたすら遠い昔のことを知り、クイズに答えることをよしとする。 ・「中国の成功」:本当に中国は成功しているのか?短期的見方、長期的見方。 現在の中国の長所:外貨獲得増大。発言力アップ。経済力アップ。 現在の中国の短所:環境破壊。内政的問題。モラルハザード、いまに始まったことではないかもしれないが。外交問題、資源を得るために領土的侵略。 ・ポピュリズム「大衆迎合主義」 |
リンク ・情報の経済学 ・マンキュー マンキューが一般に広く知られるきっかけとなったのは、「教科書」であるといえる。1992年、主に経済学部の学部生向けに『マクロ経済学』(原題:Macroeconomics)を出版し、マクロ経済学のテキストとして全米でベストセラーとなった。今や、世界各国における何十の国々の何百の大学のマクロ経済学の授業で用いられるようになった。 ・ジョセフ・E・スティグリッツ ・国際労働機関 ILO アメリカ労働総同盟・産業別会議 AFL-CIO ・WTO ・IMF アルゼンチン ブラジル アジア危機の対応 ・ |
2010年9月25日土曜日
スティグリッツ教授の経済教室―グローバル経済のトピックスを読み解く
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