2010年1月17日日曜日

☆☆1分間エンパワーメント



1分間エンパワーメント
―人と組織が生まれ変わる3つの秘訣
K.ブランチャート
J.P.カルロス
A.ランドルフ
ダイヤモンド社(単行本) 1996/3






エンパワーメントのゲームプラン

1.みんなで情報を共有化する

  • 会社の現況を知らせる・・・会社のビジネスについての社員の理解を促進する
  • 情報の共有化によって相互信頼を築く
  • 社員による自己管理の可能性を高める
  • あやまちを学習の機会ととらえる
  • 階層組織型の思考から脱却する・・・全員がオーナー意識をもつ

2.自主管理領域を創設する

  • 全体図と部分図を明確にする
  • 目標と役割を明確にする
  • エンパワーメントのための、ルールと手続きを定める
  • 必要訓練をほどこす
  • 結果に対しては責任をもたせる

3.階層組織を自己統率チームに取り換える

  • チームの方向づけを行い、スキル訓練を実施する
  • 変革のための支援をし激励する
  • メンバーの多様性は財産である
  • 徐々に主導権をチームに渡す
  • 困難な時期があっても切り抜ける覚悟を固めておく



○過去の成功を導いた考え方も、

もはや将来の成功を導かない。

まず最初に、経営者の頭を切り替えるべきである。

会社のやるべきこと

  1. 顧客主導の市場であることを認識すること
  2. 効果的な資金の運用をはかること
  3. 速やかで柔軟な対応をとること
  4. つねに改善すること

 つまり、会社は生き残りをかけて、

顧客主導型の、

資金を効果的に運用できる、

速やかで柔軟な対応をとる、

つねに改善を続けることができる組織に変わらなければならない。



△「社員に仕事を任せたのに相変わらず、いちいち指示を求めてくるのです」

   事例:閉店時間が過ぎた後に来たお客様に対する態度

       お客様がドアを叩いているのに、店員は相手にしない

     「悪いのは誰でしょうか?そのときに誰に腹を立てましたか?」

     「店員です」

     「それは違います!」

     「店員が早く帰りたいのは当たり前です。

      腹を立てる相手が違いませんか?

      いけないのは店のオーナーです。

      普通、オーナーは、

      店員にオーナー意識を持たせるような手は打ちません。

      もし店員が自分も店のオーナー、と思っていたら

      ドアを開けたはずですね」

 エンパワーメントとは、人にパワーを与えることではありません。

人には、本来、知識や意欲という形のみなぎるパワーが備わっていて、最高の仕事をしようとするものなのです。

 エンパワーメントとは、このパワーを引き出すことです。

 

○エンパワーメントはまずトップから。

そうでなければ、実現しない。



 「情報を教えてもらえないと、人はどんな気持ちになるでしょうか?」

 「なんといっても不愉快でしょう。

また、よそ者扱いされている気分になるでしょう」

 「自分には信用がない、と思いますよね。

逆の立場から言えば、信用していることを相手に示すには、

重要な情報を共有することが一番、ということになります。」

 まず、人を信用することがエンパワーメントの基本である。

  • 情報がなければ、責任をもって仕事をすることができない。
  • 情報があれば仕事をする気持ちに駆り立てられる。



自主管理領域を創設する要素

  1. 目的・・・われわれに事業は何か
  2. 価値観・・・組織運用のガイドラインは何か
  3. イメージ・・・どんな未来像を描くか
  4. 目標・・・業務遂行にあたって、なにを、いつ、どこで、どんな方法でやるのか
  5. 役割・・・誰が、なにをやるのか
  6. 組織の構造とシステム・・・やりたい仕事を、どんな方法でやるのか

     

 まず、トップはエンパワーメント組織となるために、

「説得的ビジョン」をつくり、示さなければならない。

 説得的ビジョンとは、

  • 未来像であるイメージ
  • 組織の目的
  • 組織運営の指針となる価値観

を明確に表現したもの。

  例:アップル社

  • 目的・・・役に立つ情報システムやコンピューターを作り、それをりようしてもらうこと
  • 価値観・・・誰にでも使える簡単なコンピュータにして、一部の人にだけでなく、すべての人たちに利用の機会を提供する
  • イメージ・・・すべての事務デスクの上、すべての家庭の中にパソコンがある、というビジョン

 次に、「全体図」を具体的行動へ転換するために、各人が「部分図」を描く。

具体的行動とは目標達成のための行動のことです。

全体図およびそれを構成する部分図のもつ役割を理解してこそ、

仕事の効率も上がるというものです。

 目標がはっきり見えないと、部下はより業績を上げられませんし、

また自発的にもなれません。

 全員が自分の役割の重要性を認識したときに、

ビジョンは初めて現実のものとなる。

 わたしの社長が、まず価値観について語りました。

そのときの話を全員がまるで昨日のことのように記憶しています。

いまでも、  「ドリカム・スピーチ」と呼んでいるほどです。

「夢を実現しよう」というわけです。

 話の内容はもちろん重要でした。

しかし、その説明の仕方がなによりも印象的でした。

あたかも、皆に相談をもちかけているような調子でした。

話からわたしたちの社長の確固とした価値観と、

それを実現しようとする強い意志が伝わってきました。

わかりやすく、ていねいな説明でした、

しかも、説明の仕方が非常に説得的でしたから、

誰もが信じました。

 「社長の価値観はわれわれのもの、きっと実現できる」と。

 皆が使命感をもち、心からがんばるという気持ちになりました。

 皆は、社長が唱えた価値観をそのまま支持しました。

合意が必要だったのはルールに関してでした。

価値観をどう具体化するかというルールです。

    

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