2010年1月20日水曜日
大恐慌入門 ― 何が起こっているか?これからどうなるか?
大恐慌入門― 何が起こっているか?これからどうなるか?
朝倉慶
闘魂 サバイバル生活者のブログ より
http://d.hatena.ne.jp/haltomya1960/
◆CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)が崩れたら世界は破滅するしかない
問題は図(31頁)のように急拡大したCDS市場なのです。詳しくは後述しますが、CDSは金融商品の元金を保証する保険のようなものです。その想定元本は、現在でも5400兆円と世界のGDPに匹敵します。CDS市場には株式市場や債券市場、為替市場といった公の市場はありません。相対取引です。それゆえCDSの売り手、すなわち保険を引き受けたほうは、損害がでたら保証しなければならないわけですが、この売り手がそれに見合うだけの資金を持っているのか公開されていないのです。いわばいつパンクするかわからないわけです。
このCDS間題が、今回の金融危機を巨大な規模に拡大し、まさしく未曾有の危機にまで追いつめている原因といってもいいでしょう。私は、ベアー・スターンズが破綻した後の2008年4月5日の時点で、このCDSの問題についてのレポートを書いています。少し長くなりますが、ここに引用してみます。(中略)
◆AI.G破綻もCDSの巨額損.が致命傷になった
最近ようやく話題となってきたCDSの問題ですが、すでに2007年4月から私のレポートは、今回の危機について指摘してきました。そして予想通り、CDSが爆発しかかっています。このレポートで指摘した、AIGの展開と今後の動向を予想してみたいと思います。
まず、このレポートで指摘したように、早くからCDSのビジネスが危ないと判断して、撤退していたAIGが破綻したという事実です。これは何を物語るのでしょうか? CDSの契約は5年程度が多く、その他、ケースバイケースでいろいろあるのですが、すべてはオーバー.ザ.カウンターと一言って、店頭取引すなわち市場を通さない相対の取引なのです。
保険会社であったAIGは当然、保険の引き受け手、すなわちCDSの売り方だったわけです。そしてAIGが、その保険を引き受けていた2005年当時の経済状況は、極めて好況でした。すなわち、倒産が起こることなど考えられなかったのです。また、このビジネスにヘッジファンドやモノラインなどが大挙して参入してきた時期だったのです。そのため保証料すなわちCDSの値段はかなり安くなっていました。いわば、AIGとしては、ただのような金額で様々な金融商品を保証してしまったということなのです。
AIGは2005年にCDSから撤退しました。しかし、すでに契約していた膨大な保証(CDSの売り)が残ったわけです。1,2年は問題がなかったのですが、2007年から状況は一変します。折からの不況の始まりから、保証料が考えられないほど急騰したからです。AIGにしてみれば、すでに保証契約(CDSの売り方)を結んでいるものが、極めて安い値段で契約されているわけです(2年前の状態で安く契約したから)。
保険会社の感覚でいえば、5万円取らなければならない保険料を1万円で引き受けたようなものでしょうか。そのためAIGは決算期ごとに、その損失を決算に計上していきます。いわば、安く保険を引き受け過ぎたための損失(CDSを売っているのに、急騰して損失が膨らむ)です。それでも毎期損失計上できているうちは良かったのですが、9月のリーマン・ブラザーズの破綻によって、いよいよ行きづまってしまったというわけです。
AIGの最大の取引先はゴールドマン・サックスと言われています。CDSを決済せずに破綻させるわけにはいかなかったのです。すでにFRBから9兆円の融資を受けました。それでも足りず、今回わずか2ヵ月で、6兆円の追加資金投入になったのです。AIGのCDSの引受額は50兆円と言われています。まだまだ損失が膨らむ可能性は高いと言わざるを得ません。なぜなら、現在の急激な景気悪化で、今後も企業の破綻が続出するからです。保険金を払えなくなったAIGに代わって、米国政府が焦げ付いた保険料を払ってくれるというわけです。
問題は、いまでも残っている想定元本5400兆円と言われるCDSがどこにあるのか? そしてその引き受け手は、支払能力を持っているのか? ということです。レポートでも指摘したようにヘッジファンドが引き受け手となっているCDSが決済される可能性は、その額の大きさから不可能と考えられます。しかし、鳴りを潜めて、一切話は出てきません。いったいどこへいったのか? 金融機関が絡んでいないわけはないのです。AIGでさえ、払えなかった保険料がどうやって支払えるのか? 実態は深い闇の中です。
ここへ来てCDS危機が叫ばれるようになり、この問題解決のための議論が盛んにされるようになりました。そして、極めて当たり前の結論なのですが、この取引は市場でやるべきである、いわゆる株式市場や債券市場のように透明性を持った市場を構築するべきである、という話になってきたのです。2008年11月のG20においても、このような提案がなされていますし、ブッシュ大統領自らも、このCDS市場について言及しています。あたかもこの市場の取引所が作られれば、すべてが解決できるかのように。
そしてシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)は、CDS市場の取引所を創立すべく名乗りを挙げました。これら一連の動きは、訳のわからないCDS市場の実態を明らかにし、今後、問題が拡大したり決済不能というようなことは起こさなくなるだろうということで、世間的には高い評価を受けています。
ところが、本当の事情通は、このような市場ができるわけがない!と確信しているのです。なぜかと言えば、そんなことをすれば、CDS市場の実態が明らかになるだけだからです。すでに書いているように、この巨額なCDS市場の損失は、いま現在も景気悪化から膨らみつつあり、それを引き受けたヘッジファンドの約170兆ドルという現在の資産価値から言って、決済できるわけがないのです。何しろ想定元本約5400兆円です。あの世界一の保険会社AIGが、やっと国の力を借りて決済しているものが、どうして私企業のヘッジファンドにできるというのでしょうか?
ヘッジファンドのCDS市場でのシェアは60%もあるのです。しかも2005年に撤退したAIGと違って、その後も続けていたのです。損失は天文学的数字となっているに違いありません。そんなものを、いま明らかにすることはできないのです。明らかにしたとたんに、世界の金融どころか、中央銀行、国家までもが破綻してしまうでしょう。
今回の危機が始まってから、様々な会議が開かれました。2008年4月のG7では、SIV(特定目的会社)の連結化が言われましたが、結局いまに至っても実行されず、かえって逆行して、時価会計の凍結となりました。提案とは逆に粉飾会計に動いているのです。今回また、同じような提案がなされ、評価されていますが、これも2009年の3月と謳っているだけで、いざとなれば、できなくなるのは必至なのです。なぜかと言えば、明らかにすれば世界が終わってしまうからです。
ブッシュ大統領は「非常に成功したサミツトだった」と2008年11月にワシントンで開催された金融サミットを自画自賛しました。また、麻生総理は「後世、歴史的なものと言われる。短期、中長期の対応が具体的な行動となったことは高く評価される」と述べました。まったく茶番劇もいいところです。
このような対応を見ていると、現在の危機は、隠しに隠して先延ばしされていますから、ある日突然、といった形の崩壊となる可能性が強いと考えられるでしょう。それはどこからでもやってきます。スイスやヨーロッパからくるかもしれませんし、中国かもしれません。もちろんアメリカの可能性も高いでしょう。いずれにしても、残された時間は少ないのです。
フリースタイルラボ より http://d.hatena.ne.jp/thunder-r-labo/20090429/1241018985
端的にまとめられているサイト(「ネバダレポート・IMF日本管理プログラム」)から引用させていただきます。
2005年1月20日、経済財政諮問会議が行われ、その席で政府は、
「構造改革が進まなければ」日本は5年後に財政破綻すると発表しました。
既に日本の国家財政は火の車です。
国債や借入金など国の債務(借金)残高が、2005年3月末時点で781兆5517億円となり、
これに地方自治体が抱える借金を加えれば、借金の総額は、初めて1000兆円を突破しました。
国民一人当りにすると、なんと800万円以上の借金となります。
「構造改革」を叫びながら、実は小泉政権下の4年間では、290兆円もの国債が発行されています。
日本は国家破産への道をまっしぐらに突き進んでいるのです。
多くの国民は、経済大国日本が国家破産することなどあり得ないと思っているかもしれませんが、
実は、日本国債の海外評価の低さが、事態の深刻さを物語っています。
日本の国債の国際評価は、先進国の中では最低であるばかりか、
日本の1.5倍の面積で人口171万人(2002年)であるアフリカの小国、ボツワナ共和国より低いのです。
ダイアモンドという資源があるボツワナの方が、資源などまるでない借金大国日本より評価が高いのは、実は当然のことなのです。
日本の財政破綻を見越して、既にIMF(国際通貨基金)は、日本再建プログラム=ネバダ・レポートを作成しています。
2002年2月14日に開催された第154回国会の予算委員会で、
民主党の五十嵐文彦議員(当時)が質問の中でネバダ・レポートについて触れています。
その驚くべき内容は以下の通りです。
1、公務員の総数の30%カット、及び給料30%のカット、ボーナス全てカット
2、公務員の退職金は100%すべてカット
3、年金は一律30%カット
4、国債の利払いは、5~10年間停止
5、消費税を20%に引き上げ
6、所得税の課税最低限を年収100万円まで引き下げ
7、資産税を導入して不動産には公示価格の5%を課税、債権・社債については5~15%の課税、株式は取得金額の1%を 課税。
8、預金は一律1000万以上のペイオフを実施し、第2段階として預金額を30%~40%財産税として没収する。
1~8の項目が実施された状況というものを、なるべくリアルにイメージしてください。
これに似た状況は、あまりきちんと報道されてはいませんが、すでにお隣の韓国が経験しているようです。
IMFから資金供与を受けてIMF管理下に入れば、借金の返済が最優先課題とされ、
公共部門が大幅に削減されることは、過去の例から見ても明らかです。
ネバダ・レポートでも、公務員人件費の大幅カット、年金の大幅削減、そして大増税を実施するとしています。
国民の預金の3割以上を財産税として没収してしまうという、とんでもないプログラムも含まれています。
最悪の場合、国債を買い支えることで日本の借金を支えてきた、郵貯・簡保からの預金引出しを事実上出来なくしてしまうことだってあり得るでしょう。
☆郵貯・簡保の崩壊についてはこちらをご覧ください☆
http://www.ihope.jp/post.htm
ところで、IMFの最大出資負担国はアメリカです。国連分担金などはまともに払わないアメリカは、
IMFでの支配権だけはしっかり握り締めているのです。
したがって、IMFの管理下に入ることは、実質的にはアメリカに占領されるのと同じ事なのです。
毎年アメリカ政府から日本政府へ提出される『日本政府への米国政府の年次改革要望書』に従い、
日本の国益を易々とアメリカに売り渡してきた政治家と官僚たち。彼らは、IMF管理下に入ることをなんとも思っていないでしょう。
むしろ、財政破綻の責任を取らされることなく、アメリカ傘下で日本の財政再建ができるのなら、
それがどんなに国民に負担を強いるものでも大歓迎かもしれません。
☆アメリカによる日本改造プログラムの実態についてはこちら☆
http://www.ihope.jp/denial.htm
隣国の韓国は、1997年の経済危機以降、IMF管理下に置かれて「構造改革」を進め、
2001年には借入金の返済を終えてIMF管理を脱しました。
しかし、IMF管理の後に残ったことは、大量の失業者の発生と、貧富の格差の拡大でしかありませんでした。
今日の韓国の人々の反米感情の背後には、IMF支配への強い怒りがあるのかもしれません。
ネバダ・レポートを作成して、着々と日本支配を準備するアメリカに対して、私たちはどういう態度をとるのか?
しかも今回の場合、未曾有の世界恐慌が同時進行しています。
日本一国の問題にはとどまらないという意味では、不動産という一部門に過ぎなかった
20年前のバブル崩壊とは規模が全く違います。まあ、そう考えるとリアルな想像なんてしにくいかもしれませんが。。。
私たちはどういう態度をとるのか? 。。。態度というより、対策ということになりますが、
もう日本の富裕層の賢い人たちは資産を海外の信頼できるバンクに移しているようです。
目先の情報だけにどっぷり浸かっている人たちだけが、知らないうちに泥船に取り残されているというのが現状なのかもしれません。
対策として考えるのは、資産をどう守るか。。。でも、富裕層でもない多くの人たちにとって、
取りつく島もないような話に思われるかもしれません。
もう少し踏み込んで言えば、信頼できるのは周囲の人間関係です。自分自身が構築した人脈の中で、この問題を共有して、
一人ではなく、なるべく多くの人たちと一緒に考える時間をつくることです。
もう一つは、食の問題をどうするか? それにともなって、こうした激動の時代に問われるのは、個々の生命力です。
「元気があれば何でもできる」。。。というのは誰かの言葉ですが、
どうやったら元気を確保できるか?
僕にとって経済や金融の問題は門外漢ですが、こちらはかなりいろんなことがわかっています。
秘密主義というわけではないですが、肝心な部分というのはなかなか安易に表には出せません。
僕は本をつくる仕事もしていますが、そこにはかなり踏み込んでも、本質までは本当にコアな仲間にしか話せないし、
いろいろな情報の蓄積がなければ伝わらないのです。
だから、いろいろ勉強して、最終的には自分の人脈の中で「答え」を見つけていくしかありません。
(この日記を読むだけでも、そのへんのヒントはちょっとずつは出ているかな?)
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